我々の子孫の世代が将来、
より豊かで幸せな人生を
歩めるように
日本ノボパン工業株式会社
代表取締役社長 山本 拓
国際社会共通の目標であるSDGsは、これからの世界の全ての市民・企業・組織の行動指針です。限りある資源を一方的に消費する行動は持続可能でない事が明確にわかってきました。我々はこの問題に「気付いた」世代であり、そして行動の責任を抱えています。もし我々がSDGsに従わず行動を続けていけば、未来の世代が過去を見た場合、我々より前の世代は、この問題を知らずに地球を持続不可能な状態にした世代、我々の世代は問題に気付いているのに行動を怠っていた世代、と振り返るでしょう。
当社は、古くから山林業・製材業を営んでいた関連会社(株式会社ヤマゲン)の事業で発生していた木材の残渣(鋸屑や鉋屑など)を「もったいない」から何かに利用できないかと模索し、スイスで開発された製法特許・ノボパン法を元に昭和31年にパーティクルボードの専業メーカーとして設立されました。設立から一貫した理念は資源の最大有効利用でありますが、当初使用していた製材・合板工場等からの木材残渣中心から、都市ゴミとして発生した木質系廃棄物の木くずリサイクルへ移行し、事業規模を拡大して参りました。木くずの「もったいない」から始まった当社は、木材の高度な利用と必要性に「気付き」、全国で最多量の廃木材をボードにリサイクルする企業に成長しました。
事業活動による年間の二酸化炭素固定化量は約28万トン、森林の吸収量に換算すれば約7万ha(凡そ琵琶湖の大きさ)に該当します。日本最大の生産規模を持つ本社堺工場では、木くず燃焼による大型の発電設備(バイオマス発電事業)を併設し、木くずのマテリアルリサイクル(ボード生産)とサーマルリサイクル(発電と廃熱利用)が一元化しており、生産工場の究極の形である外部からエネルギー供給を受けず生産可能な自給自足型工場となっています。同じく近代化された茨城県つくば工場と共に業界を先導した新技術を導入して、パーティクルボードを建築材料にして利用拡大に努め、建築用パーティクルボードといえば『ノボパン』という信頼を得て参りました。熱帯雨林地域のラワン合板の代替材や地震・台風に強い構造用耐力壁材STPの普及、シックハウス対策として極低ホルムアルデヒドボードを全ての製品に採用など、当社の理念に基づき市場の求める環境に対応した製品や安全と健康に配慮した製品の提供を続けています。そして今後もお客様が求める製品開発を続け、パーティクルボードの更なる用途拡大を進めて参ります。
当社はパーティクルボード製造業者であると同時に廃木材・未利用木材などをリサイクルする再生業者でもあり、また再生可能エネルギーの発電事業者でもあります。こうした多面性を最大限に生かし、木質資源の有効利用を追及していくのが当社の責務です。
未来の世代がより豊かで幸せに生きられるように、我々がどう行動すべきなのか? この視点から我々は引続き不断の努力を続け、国際的課題に発展した二酸化炭素削減や、活用されていない我が国の森林資源の利用等、大きな課題解決に挑戦し次世代の社会へ継続的に貢献できる企業になる努力をして参りたいと考えております。